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写真:仁喬さん(海)

〜 受動型自閉症(1) 〜

<急な夏>

例年に比べて、今年の札幌は寒い。

作物の育ちが心配・・・」なんていうニュースが、ちらほらと巷に流れる。

にしてもこのところ急に暑くなり、っていうか本州並みの気温、そして湿度だ。

妙にジメッとしている。

北海道らしくない。

空気の質量がゼロとも思える、あの素晴らしい季節はどこへいってしまったんだ?

写真:辰徳さん(作業所)

<季節変わり>

そんな話はさておき、季節変わりが苦手な我が住人たち。

いろんな理由はあるだろうが、そのひとつは「マニュアル自動車」でも書いたとおり、体温調節に問題があるのだ。

みんながみんなそうではないが、汗を上手くかけない人が我が住人の中にもいる。

だから身体の中に熱をため込んでしまい・・・

きっと言い表せないほどの不快感を抱えてしまうのだろう。

ちなみに体温調節の不具合は自閉症の人だけでのことではない。

かつてグループホームで一緒に暮らしていたダウン症の人もそうだった。

写真:健太さん(夏祭り)

<受動型の発生>

にしても周囲の人にその不快感を伝えられれば、対処法もあるだろうが、重度の知的障がいを持つ我が住人たちには「どんなふうに不快なのか」を伝えることは難しい。

時に耐え切れずパニックして不適応行動を起こしたとしても、なぜパニックしたかを周囲が理解しようとしなければ・・・

こんなことが何度も何度も繰り返されると、次第にその当事者はどうなるか?

表現することをもあきらめます。

ってことで受動型自閉症ができ上がります。

写真:圭さん(お誕生日会)

<指示待ちくん>

指示待ちくん

支援者同士の会話の中に、そんな言葉がよく出てきます。

指示待ちくん」とは受動型自閉症の典型で、自ら行動はせず、誰かしらの指示を待ち、そう指示がないと動かない人たちです。

それは障がいではなく、性格が怠慢なのではなかろうか?

って思うかもしれません。

もちろん中にはそういう人もいるでしょう。

しかしほとんどの人は生まれつき「指示待ちくん」なのではなく、様々な経緯により「指示待ちくん」、つまり受動型自閉症になってしまったのです。

受動型自閉症(2)」に続く・・・

平成22年6月21日(月)

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(C) Takashi Yokota 2010